IT社会という言葉が使われるようになってから久しいですが、日本はテクノロジーレベルは高いもののITリテラシーが低いと言われています。ネットのセキュリティやコンピュータ操作、ネット上のマナーなど社内のITリテラシーレベルを上げることはすべての会社の課題ですが、ITリテラシー教育に力を入れることには色々なメリットがあります。この記事では代表的なメリットを紹介したいと思います。
1.ITリテラシーアップのメリットとは?
ITリテラシー教育を社内全体で推進すると以下のようなメリットがあります。
・業務の効率化と生産性のアップ
社内でパソコンやスマホ、ネットを使っている企業は今やたくさんあります。会社のメイン業務そのものはそれほどIT機器やITシステムに依存してないとしても、クライアントや他の会社との交流や取引がある以上ITスキルは一定以上求められるはずです。社員全体が基本的なパソコン操作やネット知識に通じているなら、不必要な時間のロスが避けられます。
パソコンスキルを採用条件の一つとして掲載している会社は少なくありませんが、クラウドやAI、ビッグデータ、IoTなどの最先端技術も今後ますます会社に浸透してくると予想されます。このようなツールや技術に通じた社員の育成や雇用などに力を入れることで業務の効率化が推進されるでしょう。
・炎上や情報漏洩などのリスク回避
社員の軽率な行動や社内セキュリティの脆弱さが理由で炎上事件や情報漏洩問題が起きることは珍しくありません。社員一人ひとりが会社のデータの機密性や重要性をもっと意識したり、堅固なパスワードの設定や怪しいメールやサイトへのアクセスをしないなどの慎重さを身に着けることでこれらのリスクを未然に防ぎやすくなります。
2.ITリテラシーアップでマーケティングも有利に!?
ITリテラシーを構成する要素の中には、コンピュータの操作やセキュリティ対策だけでなく情報を正確に選び取って活用するスキルも含まれます。そのためネットユーザーの動向や注目されている話題などを観察して会社のPRを行うことも、広い意味でITリテラシーの範囲に含まれると言えます。
ITリテラシーレベルを上げると、企画部などの社員がネットの情報を正しく読み取って取捨選択できるので効率的なマーケティングにつながります。例えばSNSを使って販売戦略を効率的にすることもできます。最近はSNSやスマホを利用する日本人が爆発的に増えている以上、会社の商品やサービスを宣伝するためにもSNSを使わない手はありません。
総務省の「ICTによるインクルージョンの実現に関する調査研究」(2018年発表)によると、「ソーシャルメディアを利用して良かったと思えたことがある」と答えた人は73.1%もいて、「社会や経済などに関する最新のニュースや情報を得ることができた」とか「趣味や身近な地域の話題など、自分が興味のある情報を得ることができた」という感想を持っています。
多くの人が情報収集手段としてSNSを使っているので、企業にとってはテレビやラジオなどに代わる新しいPR手段として注目できます。
SNSを使った成功事例
どんな情報をどのように入手して発信するかをよく考えている企業は、上手なSNSでのPRをしています。事例を見てみましょう。
・無印良品の販促事例
無印良品ではSNSを使ったいろいろなPRを行っていますが、例えばツイッターに貼ったリンクからしか入れないタイムセールを行い大成功を収めました。SNSの特徴の一つであるリアルタイム性を見事に使ったこの販促は好評でした。またSNS上でクーポンを配ってSNSからの購買への流れを調査するという企画も行いました。
・ハーゲンダッツの販促事例
アイスメーカーのハーゲンダッツでは、過去のフレーバーの中で好評だった24種類の中から復活してほしいフレーバーをSNS上で投票してもらいました。プレゼント付きの企画でしたが話題性が抜群で、結果的に合計16万票を超える参加が起こり大成功のうちに終わりました。
このようにSNSの拡散性やリアルタイム性、話題性などを使った上手な販促を行っている会社もあります。ITリテラシーが高い会社ではSNSのメリットを活用してこのようなPR戦略をとっています。ITリテラシーレベルをアップすることは単にリスク回避のためだけでなく会社の宣伝にもつながります。
3 .まとめ
ITリテラシーが高まれば、不必要に会社の情報や評判を危険にさらすことはありません。また生産性を高めたり効果的な販促戦略につなげることができます。ですから社内全体のITリテラシーの底上げを図ることが非常に大切です。新人研修はもちろん、既存社員に対するITリテラシー教育を定期的に行ってIT社会での勝ち残りを目指しましょう。