ITリテラシーはコンピュータの操作やネット上の様々な情報を扱う能力などを指す言葉ですが、今はどこの会社もパソコンやネットを使うようになっているのでITリテラシーの高さは大きな武器となります。ITリテラシーの実力を対外的に示すうえで役立つのは資格を取得することです。
そこでこの記事ではITリテラシー関連の資格をいくつかご紹介して、資格取得のメリットを解説したいと思います。
1.ITリテラシーの資格3選
まずはITリテラシーの代表的な資格をいくつかご紹介します。ITリテラシーには国家試験、民間試験、国際試験など様々な種類とがあります。それぞれの分野から一つずつご紹介しましょう。
ITリテラシーの資格試験1:ITパスポート
ITリテラシー資格と言えばまず名前があがってくるのが「ITパスポート」です。ITパスポートは「情報処理推進機構」という機関が実施している国家試験および資格ですが、どのような業種や職種にも活用できる基礎的な知識を証明できる資格です。ITパスポートは以下のような知識を習得した人に認定されます。
- 革新技術(AI、ビッグデータ、IoT など)
- 新しい手法(アジャイルなど)の概要
- 経営全般(経営戦略、マーケティング、財務、法務など)
- IT(セキュリティ、ネットワークなど)
- プロジェクトマネジメントの知識
ITパスポートという名前からしてコンピュータ知識のことが専門的に扱われるイメージがあるかもしれませんが、経営についても知識を深めることができるのがこの資格の特徴です。AIやIoTなどの最先端技術やネットにおける重要項目であるセキュリティに関してもしっかり学べるので取っておくと非常に便利です。
ITリテラシーの資格試験2:IC3
続いて「IC3」という資格を紹介します。IC3 はコンピュータやインターネットに関する基礎知識とスキルを証明できる国際資格で世界の150か国で実施されているので、ITリテラシーの高さを不特定多数の企業に対して証明するのにとても良い資格です。IC3では以下のような知識がカバーされます。
・コンピューティング ファンダメンタルズ
ハードウェアやソフトウェア、オペレーティングシステム(OS)に関する知識や操作方法、コンピューティング全般の基礎
・キー アプリケーションズ
ワープロソフトや表計算といった代表的なアプリケーションに共通する機能や、各々の操作方法
・リビング オンライン
インターネットやネットワーク環境でコンピュータを活用する際に必要とされる、基本的な知識・操作・ルール
こちらの資格もバランスよく様々なリテラシー知識が組み込まれています。ハードウェアとソフトウェア、セキュリティーという分野が幅広くカバーされていて、試験も気軽に受けることができるのでおすすめです。
ITリテラシーの資格試験3:P検
「P検」はパソコン関連検定としては有名な資格試験の一つです。P検は「ICTプロフィシエンシー検定協会」が認定している資格の一つで、5級から1級までの6段階があります(準2級あり)。P検では以下のような知識を習得できます。
- タイピングや表計算などのパソコン操作
- コンピュータ知識
- 情報モラルと情報セキュリティ
- 情報通信ネットワーク
- ICT(情報通信技術)を活用した問題解決
P検は中学校や高校の学習指導要領に準拠している資格で、大人のみならず若者でも気軽に受けることができる資格です。ビジネスシーンでは3級以上を取得していることが理想的で、2級や1級になれば転職や昇格に有利に働くともいわれています。ITリテラシーの高さを証明できることで手当てがつくケースもあるので取得をおすすめします。
2.ITリテラシー資格のメリット
ITリテラシー資格を取得することには以下のようなメリットがあります。
・コンピュータや周辺機器が効率的に活用できる
今は多くの会社がコンピュータを業務の中に導入していますが、すべての従業員がコンピュータなどのハードウェアやアプリケーションに詳しいわけではありません。身近な例で言うとワードやエクセルといった基本的なオフィスソフトであっても操作に迷う社員は少なくないでしょう。
ITリテラシーの資格取得を個人的あるいは会社単位で進めることによってコンピュータや周辺機器の操作に詳しくなり、それが業務の効率化につながります。社員それぞれが他の社員の助けを得ずに業務をスムーズにこなせるので、ひいて言えば残業問題など業務の非効率から来る問題に一石を投じることにもなります。
・情報収集・発信能力が向上する
会社が様々な企画を立ち上げるためには、情報収集能力や取捨選択してまとめた情報を発信する能力が重要になります。しかしネット社会の現代では誤った情報が錯綜することがしばしばあり、どの情報が正しく本当に活用できるものなのかを判断するのが難しい場合があります。
ITリテラシーの資格を取得する中で情報分析能力が身に付くと、本当に必要な情報とそうでない情報を識別する力がつき、会社がプロジェクトを進めるうえで役立つでしょう。
・炎上などの事故を回避できる
SNSや動画サイトなどにおけるいわゆる「炎上」事故がしばしば報道されることがありますが、会社にとって評判は非常に重要なのでなんとしても炎上事故などは防ぎたいところです。ITリテラシーの資格では情報を発信する時に必要不可欠なマナーを身に着けることができるので、会社の評判を落としかねない情報の内容や方法を未然に防ぎやすいです。
・セキュリティリスクを軽減できる
大切な情報が漏洩したというニュースを時々見聞きすることがありますが、うっかりミスや外部からの不正アクセスによって会社が保管しているデータが危険にさらされることがあります。ITリテラシーに関する知識を深めることで、セキュリティに関して意識すべきポイントを学べてリスクを軽減できます。
3 .まとめ
ITリテラシーに関する資格は数多くあり、比較的誰でも簡単に挑戦できるものもあります。もしある企業がコンピュータやネットを業務に多く取り入れているのであれば、一度時間を取って社員にITリテラシー資格の取得を促したり、会社の社員教育に導入することをおすすめします。
今後IT化がますます進んでいく中でデータ収集や発信、ITモラルやセキュリティに関する見識を持った従業員の存在は大きくなるでしょう。ですから出来るだけ早くITリテラシーに関する会社の取り組みを見直すことが不可欠です。